土壌汚染調査の手法について

 今回は、『土壌汚染の有無を調べるために、実際に現地でどのようなことをするのか?』についてご説明します。

 まずは、試料採取地点の位置出し測量を行います。その際、稼働中の工場等で調査を行うこともあり、併せて、事前の地下埋設物の確認等も行います。次に、土壌ガスや表層土壌の採取を行います。具体的な試料採取方法を下記に解説します。分析の結果、基準適合であれば調査終了となりますが、基準不適合の場合は更なる詳細調査を行うことがあります。

 詳細は、弊社までご相談ください。

 

  1. 第1種特定有害物質(ベンゼン等)を対象とした土壌ガス採取方法

 試料採取の密度は、おそれの少ない土地では30mメッシュに1地点、おそれの多い土地では10mメッシュに1地点とします。

当該物質の調査手法は、その特性より、土壌中の気体の採取及び当該気体に含まれる特定有害物質の量の測定を行います。なお、雨天時には調査ができません。

 

【土壌ガス採取方法】

① (ハンマードリルで舗装を削孔し、)ボーリングバーを地面に打込み、直径15~30 mm 程度、深さ0.8~1.0mの採取孔をつくる。

 ② ①の中にステンレス製の保護管(底面又は下部側面に開口部あり)を挿入し、管頭をゴム栓で密栓する。

 ③ 30分以上、静置する。

 ④ 地上部に捕集バック(合成樹脂フィルム製1L)を内部に装着した気密容器を準備する。

 ④ ②と④を採取管等で接続し、気密容器を吸引ポンプで減圧することで、土壌中の気体を捕集バックへ吸入する。

 ⑤ 捕集バックへ採取した土壌ガスは、現地分析を行う場合は採取から24時間以内に、分析室で行う場合には採取から48時間以内に分析を行う。

 

 

2.第2種(重金属類)・第3種(農薬等)特定有害物質を対象とした土壌採取方法

 試料採取の密度は、おそれの少ない土地では30mメッシュに5地点(5地点混合1検体)、おそれの多い土地では10mメッシュに1地点とします。

 当該物質の調査手法は、汚染のおそれが生じた場所の位置から深さ50 cm までの土壌を採取し、土壌溶出量及び土壌含有量の測定を行います。

 

【土壌採取方法】

 ① 試料採取深度を下記のいずれかに決定する。

  ⅰ)汚染のおそれが生じた場所の位置が地表の場合は、表層の土壌(地表から深さ5cm までの土壌)と深さ5~50 cm までの土壌を採取し、それらの同量を均等に混合して一つの試料とすることとする。なお、地表面がコンクリートやアスファルト等で被覆されている場合や、アスファルト等の下に砕石や砂利がある場合、それらを除いた土壌表面を基準とする。

  ⅱ)汚染のおそれが生じた場所の位置に該当する、有害物質使用特定施設及び関連する施設の底や地中配管等、土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる部分が地表よりも深い場合には当該施設等の直下を基準とする。

ⅲ)汚染のおそれが生じた場所が旧地表であるときは、旧地表面から50 cm 区間の土壌を深度方向に均等に採取する。

 ② 舗装部分の掘削

  舗装部分は、その下の土壌を撹乱しないように、コアカッター等で掘削する。舗装下に砕石がある場合はこれも除去する。

 ③ 土壌の採取

ダブルスコップ、ハンドオーガー、簡易式ボーリングマシン、ロータリー式ボーリングマシン等を用いて土壌試料を採取する。ボーリングマシンを使用する場合は、無水掘りとする。

④ 採取試料の取扱い

採取した土壌は、礫・大きな植物根等を除いた後、ガラス製容器又は測定の対象物質が溶出及び吸着しない容器に収める。なお、ほう素及びその化合物・ふっ素及びその化合物はガラス製容器から溶出するおそれがあるため、ガラス製容器に保存しない。採取試料は速やかに分析室へ搬入する。

 

 

 

 

 

 

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